金属の切削、組立加工で精密部品を作るほか、オリジナル製品の開発、製造も行うテクノタイヨー(堺市東区)。水野敏雄社長は、事業内容を「製造業」ではなく、心を込めて「ものづくりの会社」と呼ぶ。日本のものづくりを未来永劫引き継いでいきたいと話す水野社長に、目指すミライについて聞いた。
事業を通して、日本のものづくりを未来に引き継いでいきたいと思っています。
当社は現在ベトナムに進出し、そこで作ってもらった製品を日本で販売する事業も行っていますが、ベトナムに進出して改めて感じたのが、日本のものづくりに対するストイックさ。品質との向き合い方が、よその国と比べて桁違いに厳しいのです。
世界では、日本のそうした品質が広く認知されています。だからこそ、日本のものづくり企業には、世界が認めるその技術に誇りを持ってほしいです。その誇りこそが、廃業が続く中小のものづくり企業を救うのでは、と考えています。
自分たちの作った製品が何の役に立っているのかわからないと、やりがいは生まれにくいもの。そこで、下請けの仕事以外に、完成品に近い商品の製作も始めました。現在力を入れているのは医療機器の開発。人の健康に直結する製品なので、自分たちの仕事が世の中の役に立っていると、より深く実感できます。
また、技術スキルや人間力を高めるための外部研修も積極的に取り入れています。社員が希望すれば、費用は会社負担で、どんどん参加してもらっています。
さらに、当社は社是として「思いやりのこころ」「誠実なこころ」「あきらめないこころ」の三つのこころを掲げています。この三つのこころをベースに行動するのが当社のこだわり。そこで、これらを実践している人を、社員同士で投票する制度も導入しました。半期に一度、それぞれの心で一番投票数が多かった人を皆の前で表彰しています。今では社員の多くが自信と誇りを持って働いてくれています。
下請けと自社商品の比率を、現在の8.5対1.5から5対5に持っていきたいですね。そのためにも、今後は医療分野を強化する予定です。
さらに、少子化社会において日本のものづくりの良さを引き継いでいくために、AIとIT技術を使い、ものづくりの検査体制の機械化を進めています。機械化がどんどん進むものづくり業界ですが、検査においてはこれまで人間の目でチェックするしかなく、傷や色ムラなどの合格基準にもばらつきがありました。AI技術を使って検査体制を機械化できれば、検査に必要な人員を減らせるだけでなく、主観によらざるをえなかった合格基準を数値化でき、歩留まりの改善につなげることができます。
組織としては、今いる社員が定年まで働き、新しい人材が入社するという永続経営を安定して行うために、売上10億円を目指します。拡大志向ではありませんが、これくらいの売り上げ規模があれば、より安定度の高い経営ができるはずです。また、中期計画では、ベトナムを生産拠点としてだけではなく市場と捉え、日本で作った製品を販売していく予定です。東南アジアは市場としても将来有望です。特に医療製品の需要はこれから高まるはずです。日本のものづくりを絶やさないためにも、今後は市場調査にも力を入れていきます。
企業/団体名 | 株式会社テクノタイヨー |
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代表者 | 水野 敏雄 |
所在地 | 〒599-8102 堺市東区石原町1-153 |
電話番号 | 072-255-9559 |
従業員数 | 50名(※パート・アルバイトを含) |
平均年齢 | 46歳(※パート・アルバイトを含) |
URL | http://www.techno-t.co.jp/ |
事業内容 | 金属精密部品切削加工事業 機器組立事業 ベトナムからの部品調達事業 自社商品開発事業(油圧機器、医療機器等) |
詳しくは下記フォームよりお問い合わせください。