国道に並ぶ街灯の維持工事をしたり、省エネ提案、LED取替工事、高圧保守を行っているのが「マエダ電気工事」(那覇市)。建築工事会社からの下請けは一切行わず、直接企業や行政と取引するのがポリシーだ。「経営理念は経営者自らの背中で語らなければ伝わらない」とする真栄田一郎社長の目指すミライは?
ミライについて語る真栄田一郎社長
「会社は、社員がワクワクしながら働き、自己の成長を実感する夢をもち、それを実現するためのステージ(舞台)である」と考えています。以前は私がだらしない社長であったため、決して良い会社とは言えませんでした。多くの社員が辞めてしまった過去があります。
転機になったのは全社員参加で開催した1泊合宿の「ビジョン研修」で、社員から気づかされたことがありました。その気づきで私自身が変わったことが2つあります。
1つ目は自分を律することと、2つ目は私の行動、発言、考え方の中心に「社員の幸せ」を置くこと。
私のこの2つの変化から、社員の行動や姿勢が変わり始めたのです。
実際に、長年働いている社員から「社長、以前は主語が“お客さま”だったのに、“社員”を主語にすることが増えましたよね。変わりましたね。」と言われた時は、心底嬉しかったですね。
自分のためのみならず、大切な人のために一生懸命働く。
だからこそ、社員が夢を叶えられる会社でなければ、当社の存在意義はない。そう考えています。
自分の夢と会社の経営目標をリンクさせれば、社員はワクワクして夢の実現に向けて努力してくれます。そこでまず、社員全員に自分の「人生20年計画」を作成してもらい、経営目標とそれがつながっていることを実感してもらいました。
半期が終了した時点で、年度の予測決算をします。予測決算を見ると、目標の数値にどれだけ足りないか、業績賞与が出るか出ないかまで、社員一人ひとりが分かります。
そうすると、目標を達成するための方法を社員自らが話し合い、行動するようになるのです。
社長の仕事は「適切で正しい経営戦略」を作り、それを社員に伝えることだと思っています。細かい仕事には口出ししない反面、会社が今どこに向かっているのか、将来どうなりたいのかを、社員に丁寧に説明しています。
電気工事は受注産業なので、やはり波があります。そうした波に影響されないよう、毎月収益を見込める仕事をいかに増やすかが、今後の課題です。これから、エネルギーの中心は電気になるでしょう。
例えば、建物の中だけで行っている省エネを、点と点を結ぶように線にして面にまで発展させ、地域全体でエネルギーを賢く使う「スマートコミュニティ」を作る。そんなことにも挑戦してみたいです。
そして、社員の子どもたちが入ってくる会社にしたいですね。
そのためにも、人がきちんと育つ環境や仕組み作りも強化していきます。
同じ現場なんてひとつもないので、難しさもあると思いますが、
体制さえしっかり整えば、もっと多くの人を育てられますし幸せにできると考えています。
でも、本音を言えば、仕事は何をやろうと構わないのですよ。
社会的責任を果たして社員が幸せであればいい。
それが理想のミライです。
企業/団体名 | マエダ電気工事株式会社 |
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代表者 | 真栄田 一郎 |
所在地 | 〒900-0025 那覇市壺川1丁目16番地11 |
電話番号 | 098-853-9091 |
従業員数 | 34名 (※パート・アルバイトを含) |
平均年齢 | 38歳 (※パート・アルバイトを含) |
URL | http://www.denkiya-no1.co.jp/ |
事業内容 | 電気工事業・高圧保守管理・電設資材卸業 |