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ミライ企業図鑑

「やさしい心くばり」でみんなを笑顔に


「やさしい心くばり」でみんなを笑顔に

読谷村の特産品である紅いもを使った「紅いもタルト」をはじめ、沖縄の素材にこだわった安心安全のお菓子を提供している「御菓子御殿」(中頭郡読谷村)。沖縄の活性化のため、商品には地元の素材を使い、地域の雇用も生み出している。創業からの理念の浸透を進める澤岻千秋(たくし・ちあき)専務が目指すミライについて聞いた。

――なぜこの事業を始めたのか

レストランの一角で販売していたアメリカ仕込みのドーナツやチョコレートケーキ、アップルパイが人気となり、お菓子の事業を興しました。沖縄の素材にこだわった商品づくりをどんどん発信して、沖縄を活性化したい。「やさしい心くばり」をモットーにお客さまに安心安全なできたての美味しいお菓子を食べていただきたいという想いがありました。

この想いや理念を自分たちが理解し、自分の言葉で伝えられるようになるために、10年くらい前に、本部長や役員など理念を伝える立場にある人が全員集まり、理念の再構築に取り組みました。会社として大事にしていることを社訓として明文化してみると、創業者の理念と重なっていることに気づきました。

また、人材育成に力を入れ、共に育つ教育の仕組みや風土を根付かせることで、誰もが楽しく仕事ができ、豊かな生活ができる環境を実現したいと考えています。

 

――具体的な内容は?

看板商品である特産を使った「紅いもタルト」は読谷村の村おこし事業がきっかけです。「紅いもタルト」は無添加無着色の素材にこだわっています。沖縄素材を活かした、地域密着型で沖縄発の銘菓づくりに取組んでいます。

昨年、地元の紅いもの調達が難しくなる緊急事態がありました。看板商品が販売できなくなると経営が行き詰る可能性があります。その時も、全員で確認した理念に沿って、沖縄の素材にこだわり県外素材は調達せず、別の商品で乗り越えようと決め、売り上げを落としませんでした。大きな賭けでしたが、理念の大切さを実感し、大きな自信にもなりました。

人材育成では、経営を支える中間層を育てるため、数字やマインドを勉強する「樹の会」を開催。製造部門や女性店長など様々な立場のメンバーが学び、それぞれの意見をひざ詰めで話し合っています。そこから様々な意見やプロジェクトが生まれ、取締役会の議題になります。最初は異なる意見の言い合いになりましたが、話し合いを通じて互いに成長し、それぞれが考えて行動できるようになりました。

――実現したいミライは?

ISO22000に続き、厳しい国際品質基準であるFSSC22000の認証取得にも取り組んでいます。海外など多くの人においしいお菓子を食べてもらうために、できる限り添加物に頼らない方法で消費期限を延ばしたい。品質を極限まで高めたいと思っています。

店舗展開は沖縄だけですが、沖縄県物産公社を通して、紅いもタルトを県外や香港、台湾、韓国などの海外にも販売しています。海外への対応の一環として、16億人規模のイスラム圏市場に向けたハラール認証も取りました。

とはいえ、高齢化に伴い紅いも農家の担い手が減ってきています。これまでは、農業とわたしたちはあくまで「共存」という考えで、その分野には決して介入しなかった。しかし今は、助け合わなくてはならない状況になっています。

農家の想いを理解した社員がお菓子を作り、販売することは、当社の理念にもつながりますから、新卒社員が農業を手伝うなど一次産業にも関わりながら、新たな六次産業化のモデルを作っていければと思います。

編集後記

添加物を使わない自然の素材を活かした食品を、大規模流通にのせることは難しい。保存期間が短いことがネックになるからだ。

日本人は賞味期限に敏感で、賞味期限が短い商品をなかなか選んでくれない。添加物の大量使用を嘆く声があるが、それはより安く、より賞味期限の長い商品を求める消費者の要望に応える企業努力の結果なのだ。自然で安心な食品はあまり日持ちはしないし、ある程度の値段になる。私たちがその当たり前のことを受け入れることが、食の安全、安心な暮らしへの第一歩となる。

ミライ企業図鑑編集長 神崎英徳

企業/団体情報

企業/団体名 株式会社御菓子御殿
代表者 澤岻 カズ子
所在地 〒904-0328 中頭郡読谷村字宇座657-1
電話番号 098-958-7333
従業員数 515名(※パート・アルバイトを含)
平均年齢 43歳(※パート・アルバイトを含む)
URL http://www.okashigoten.co.jp
事業内容 和洋菓子の製造・販売
喫茶店・レストラン・テーマパークの経営


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